電池式補聴器と充電式補聴器 ~特徴と選び方のポイント~

補聴器は、「聞こえにくさ」を感じ始めた方々にとって、大切な毎日のパートナーです。
最近では、補聴器にも種類があり、「電池式」と「充電式」のどちらを選ぶかで、使い勝手やランニングコスト、環境への影響まで変わってきます。
今回は、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。ご自身の生活スタイルに合った補聴器選びの参考にしていただければ幸いです。
電池式補聴器とは?

電池式補聴器は、長年多くの方に利用されてきた標準的なタイプです。ボタン型の空気亜鉛電池を入れて使い、電池が切れたら新しいものに交換します。
主に以下の4つのサイズがあります:
• サイズ10(黄色)
• サイズ312(茶色)
• サイズ13(オレンジ)
• サイズ675(青)
補聴器ごとに適した電池サイズが決まっているため、取り扱い説明書や本体に記載された番号を確認してください。
メリット
1. 入手が簡単
補聴器専門店など、さまざまな場所で購入できます。
2. 持続時間が長め
使用環境にもよりますが、1つの電池で約5日~14日ほど使えることが多いです。
3. 短期間の使用にはコスト面で有利
使用頻度が少ない方や、旅行など一時的な使用には経済的です。
デメリット
1. 交換の手間がある
特に手先の細かい作業が苦手な方には、電池の入れ替えが負担に感じられるかもしれません。
2. 環境負荷の懸念
古い電池には有害物質(鉛・水銀など)が含まれる場合があり、適切な廃棄が求められます。
「5分ルール」とは?
電池には粘着タブが付いていますが、使用前にタブを剥がしてから5分ほど置いてから補聴器に入れることで、電池の寿命を最大限に引き出せます。これが「5分ルール」と呼ばれるものです。
使用済み電池はどうすればいい?
最近は水銀を含まない電池も増えていますが、いずれにしても家庭ごみではなく、当店を含むボタン電池回収協力店にて処分してください。
「保管と持ち運びの注意点」
未使用の電池は、パッケージに記載された使用期限を確認し、期限内に使用してください。
また、ポケットやバッグの中で金属と接触すると放電してしまう恐れがあるため、持ち運びの際はケースなどで保護しましょう。
Bluetooth 機能と電池の関係
Bluetooth対応の補聴器をお使いの場合、音楽や通話のストリーミングにより、電池の消耗が早まる傾向があります。使用頻度に応じて、予備電池の携帯やバッテリー管理を心がけましょう。
充電式補聴器とは?
近年増えてきているのが、繰り返し使えるリチウムイオン電池を内蔵した充電式補聴器です。専用の充電器に置くだけで簡単に充電できるため、毎日の取り扱いがとても楽になります。
メリット
1. 環境にやさしい
電池を使い捨てる必要がないため、廃棄物が減り、環境保護にもつながります。
2. 交換不要の手軽さ
手先の不自由な方や、電池交換が面倒な方にとっては非常に便利です。
3. 長期的には経済的
電池を買い足す必要がないため、長く使うほどコストパフォーマンスが高くなります。
デメリット
1. 電池の寿命に限りがある
毎日充電することで、数年後には電池の劣化が起きるため、内蔵電池の交換が必要になる場合があります。
2. 初期費用が高め
本体や充電器を含めた初期投資が、電池式補聴器よりやや高くなる傾向があります。
まとめ
電池式と充電式、それぞれに特徴があります。
• 電池式補聴器は、すぐに使えて入手もしやすく、短期利用や買い替えのサイクルが短い方におすすめです。
• 充電式補聴器は、取り扱いが簡単で長期的にはコストも抑えられ、環境にもやさしい選択肢です。
どちらが「正解」ということはありません。ご自身の生活スタイルや手先の器用さ、環境への配慮などを踏まえながら、じっくり選んでみてください。