飛行機に乗ると耳が痛くなる? 快適な空の旅のためのヒント

夏休みのシーズンに入り、お子さまやお孫さまとのご旅行を計画されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
普段はあまり飛行機に乗らないという方にとって、空の旅は楽しみであると同時に、耳の不快感が気になることもあるかと思います。
今回は、飛行機に乗った際に起こる「耳が詰まる感じ」や「痛み」の正体と、その対処法についてご紹介します。少しの工夫で、ずいぶん楽に過ごせるようになりますので、ぜひご一読ください。
飛行機耳とは?
「飛行機耳」とは、耳の中と外の気圧がうまく釣り合わなくなることで起こる不快感のことです。
耳の奥にある「中耳」という空間には、音を伝えるための小さな骨(耳小骨)がありますが、この中耳と喉の奥とをつなぐ「耳管」という細い管が、圧力を調整する役割を果たしています。
離陸や着陸時に気圧が急に変化すると、耳管がうまく働かずに中耳の気圧が低くなり、鼓膜が内側に引っ張られてしまいます。これが、耳が詰まるような感覚や痛みの原因となります。
飛行中によくある耳のトラブル
飛行機耳以外にも、空の旅では以下のような耳や聴こえに関するトラブルが起こることがあります:
1.一時的な聞こえづらさ
圧力の変化により鼓膜の振動が妨げられ、音がこもったり遠くに聞こえたりすることがあります。
2.耳鳴り
「キーン」「ブーン」といった音が耳の中で響くことがあり、これも気圧変化によって悪化することがあります。
3.痛み
鋭い痛みや鈍い痛みを感じることもあります。
4.めまい
まれに、内耳のバランスが乱れることで、ふらつきや回転するような感覚を覚えることもあります。
飛行機耳を防ぐには

以下のような方法を意識することで、耳への負担を軽減できます:
• つばを飲み込む・あくびをする
耳管が開き、圧力の調整がしやすくなります。ガムや飴を口にするのも効果的です。
• バルサルバ法
鼻をつまんで口を閉じ、鼻から息を軽く出すようにすると、耳の中に空気が送り込まれ、圧力が調整されます。
• 水分をしっかり摂る
水分が不足すると耳管の働きも鈍くなります。こまめに水を飲みましょう。
• 着陸時は眠らないようにする
降下中は特に気圧の変化が激しいため、目を覚ました状態で、つばを飲んだりあくびをするのが効果的です。
飛行機耳はどのくらい続く
ほとんどの場合、着陸後しばらくして耳の内外の圧力が自然に戻ると、不快感もおさまります。数分から数時間以内に回復することが多いです。
おわりに
飛行機での耳の不快感は、誰にでも起こり得る身近な現象です。旅行前に少しだけ対策をしておくことで、痛みを予防し、より快適な空の旅が楽しめます。
万が一、症状が長引いたり、強い痛みや異常を感じた場合は、無理をせず、かかりつけのドクターに相談なさってください。
ご家族とのご旅行が、安全で心地よいものとなりますように。