補聴器を長く使うために。毎日のお手入れと保管のポイント

2025.06.10

補聴器は、あなたの毎日の生活に寄り添い、会話や人とのつながりを取り戻すための大切なパートナーです。その性能を十分に発揮し、長く使い続けるためには、こまめなお手入れと正しい保管が欠かせません。

この記事では、補聴器を清潔に保ち、故障を防ぐための基本的なメンテナンス方法をご紹介します。

お手入れ前に知っておきたい注意点

補聴器はとても精密な医療機器です。小さくても、高度な技術が詰まっており、湿気やホコリ、衝撃に弱いため、取り扱いには注意が必要です。

使用、お手入れ時の基本ルール

・やわらかい布を敷いて作業:補聴器を掃除したり、電池を交換するときは、万が一落としても壊れにくいように、テーブルの上に柔らかい無地の布を敷いて作業しましょう。

・水には注意:入浴、シャワー、水泳、サウナなどでは必ず外してください。

・耳を乾かしてから装着:湿った耳に補聴器を入れると故障の原因になります。

・帽子も味方に:寒い時期に帽子をかぶれば、耳を守ると同時に補聴器も保護できます。

・医療検査時は取り外しを:X線、MRI、CT検査を受けるときは、補聴器を外しましょう。

・化粧品にも注意:ヘアスプレーやファンデーションが補聴器に入らないように、化粧が終わってから装着してください。

補聴器の掃除方法

補聴器には、汗や耳垢などの汚れが付きやすく、放っておくと、音が聞こえにくくなったり、故障の原因になったりします。毎日の軽い掃除で、清潔を保ちましょう。

 

耳あな型補聴器の掃除方法

・やわらかい布や、専用のクリーニングロッドでやさしく拭きます。

・フィルター(耳垢ガード)は定期的に交換してください。

・補聴器に付属しているブラシや、やわらかい歯ブラシで、細かい汚れや耳垢を優しく落とします。

・液体がマイクや開口部に入らないように注意しましょう。

 

耳かけ型補聴器の掃除方法

・本体を乾いた布で軽く拭きましょう。

・取り外し可能な耳かけフック部分は、定期的に外して掃除します(取扱説明書を確認してください)。

 

掃除時の注意点

・毎日確認:目に見える汚れがないかをチェックしましょう。

・強い薬剤は使わない:アルコールや洗剤、溶剤などは使用しないでください。

・尖った道具はNG:針やハサミなどを使うと、補聴器を傷つけてしまいます。専用の掃除ブラシを使用しましょう。

・手は清潔に:掃除前は手を洗い、乾かしてから作業してください。

補聴器の乾燥と保管

補聴器の大敵は「湿気」です。濡れたまま使用すると、内部が劣化したり、音が出なくなったりする恐れがあります。

正しい乾燥方法

・自然乾燥が基本:濡れた場合も、ドライヤーや電子レンジ、ストーブなどは絶対に使わないでください。

・専用の乾燥グッズを使う

乾燥ケースや乾燥ボックス:毎晩、補聴器を乾燥ボックスに入れておけば、湿気をしっかり除去できます。紫外線除菌機能付きのタイプもあります。

乾燥ポーチや乾燥カップ:シリカゲル入りのものが、湿気を吸収してくれます。

電池は外す:乾燥前には電池を取り外し、電池ボックスを開けておきましょう。

保管場所のポイント

・湿気や熱源(キッチン、浴室、暖房の近く)を避けてください。

・小さなお子様やペットの手が届かない、専用の場所に保管するのがおすすめです。

電池の交換と管理

補聴器の性能を支えるのが電池です。補聴器には、使い捨て電池と充電式電池の2種類があります。

 

使い捨て電池の場合

・装着時間や電池サイズによって異なりますが、おおよそ1〜2週間で交換が必要です。

・予備の電池を常備しておくと安心です。旅行の際は必ず持参しましょう。

・保管は涼しく乾燥した場所で。

 

充電式の場合

・毎晩、充電器にセットする習慣をつけると、電池切れの心配がありません。

 

電池交換時の注意

・左右の補聴器を間違えないようにしましょう。一般的に、右耳は赤、左耳は青のマークが付いています。

補聴器のメンテナンスで、より快適な毎日を

補聴器を長く快適に使い続けるには、日々のお手入れが大切です。少しの習慣が、大きなトラブルを防ぎ、快適な聞こえを保ちます。

定期的な点検や掃除も受けるようにしましょう。プロによるサポートとご自身のケアを組み合わせれば、補聴器は何年もあなたの生活の中で頼れる存在であり続けてくれるはずです。

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